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行動神経内分泌学研究室

2007年

はじめに。。。

本研究室では、情動行動、特に、攻撃行動の発現を制御している脳神経機構についての研究を進めています。特に、その神経内分泌学的基礎、すなわち性ステロイドホルモンが中枢神経系に作用して攻撃行動に関与する神経回路の構築に関与したり、行動の発現そのものの調節を行なう際の脳神経メカニズムに注目しています。なかでも、テストステロン(雄の性ホルモンであるテストステロンは脳内でエストロゲンに変換されて様々な中枢作用を引き起こす)やエストロゲンといった性ステロイドホルモンの中枢作用を仲介する脳内エストロゲンレセプターが果たす役割について、遺伝子改変マウスを用いた行動研究と神経解剖学的解析とを平行して行なうことにより明らかにしてきました。

エストロゲンレセプターは転写制御機能を持つ核レセプターで、神経伝達物質や脳内ペプチドなどのさまざまな脳内物質の遺伝子発現を左右することによって、最終的な行動表出の制御にも深く関与しています。脳内での局在と分子生物学的特性が確立しているエストロゲンレセプターには、現在までのところアルファ(ER-α)とベータ(ER-β)の2種類があり、本研究室では、それぞれのノックアウトマウス、αERKO(ER-αKnockout)とβERKO(ER-β Knockout)の行動特性の分析を行なってきました。

その過程で、ふたつのレセプターが果たす役割がしばしば異なることが見出されました。たとえば、雄マウスの攻撃行動は、αERKOマウスでは、ほとんど観察されないほどまでに減少しているのに対して、βERKOマウスではむしろ増加していることがわかっています。このことは、ER-αは雄マウスの攻撃行動の発現に必要不可欠であるが、ER-βは攻撃行動の抑制的な調節に関与していることを意味します。しかし、ER-αと比べて、より最近になってその存在が発見されたER-βによる行動および神経内分泌機能の制御の様相や背景となる脳内メカニズムの詳細や、ER-αのそれとの類似点・相違点、さらには両者の相互作用などについてはまだあまり研究が進んでいないのが現状です。

ER-βは情動行動に深く関与する内側扁桃体をはじめとする辺縁系領域やストレス反応を制御する視床下部室傍核、さらにセロトニンやノルアドレナリンの産生細胞が分布する中脳背側縫線核や脳幹青斑核などに高濃度で局在することが知られています。従って、これらの脳部位でのER-βを介した脳内物質の遺伝子発現の制御が、攻撃行動を初めとする情動行動の脳内調節機構として重要な役割を果たしていることが考えられます。本研究室では、現在、ノックアウトマウスやRNA干渉法により脳部位特異的に遺伝子発現がノックダウンされたマウスを用いて、次のようなテーマの研究を進めています。
1.攻撃行動をはじめとする、様々な情動行動の制御に果たす、 ERαおよびERβの役割の決定とその基盤となる、脳神経機能についての解明
2.性ステロイドホルモンによる行動の性分化に果たすERαおよびERβの役割の同定
3.情動の表出としての社会行動の制御における遺伝子発現と環境要因との関係についての解析

詳しくは、添付Documentをご一読ください。

添付ファイル: Research in Ogawa Lab.pdf

Category : 研究室案内・研究テーマ

IBRO Associate School of Neuroscienceでの講演

2007/12/10(月)

Ogawa, S.
Role of Estrogen-Induced Gene Expression in the Regulation of Socio-Sexual and Emotional Behavior: Studies with Knockout Mice and Brain Site-Specific Gene Knockdown by RNAi Method.
In The 11th IBRO Associate School of Neuroscience, December 3-7, 2007, Monash University, Sunway Campus, Kuala Lumpur, Malaysia.

添付ファイル: Ogawa Abstract IBRO.pdf

Category : 研究室ニュース

第5回行動神経内分泌研究会のご報告

2007/11/24(土)

第5回行動神経内分泌研究会は、11月21日に東京大学(世話人:松脇先生)にて行われました。

演題
「妊娠期の母親の日内コルチゾール分泌変化と新生児の出生体重との関係」
永岑光恵先生(国立精神・神経センター精神保健研究所 成人精神保健部)

「海馬苔状線維シナプス可塑性におけるニコチン受容体の役割」
伊藤公一先生 (東京大学大学院 農学生命科学研究科 比較病態生理学研究室)

「性行動を制御する神経内分泌機構」 
山田俊児先生 (早稲田大学人間科学学術院 人間科学部 人間環境科学 神経内分泌研究室)

Category : 日本行動神経内分泌研究会 (JSBN)

特定領域研究「性分化機構の解明」ニューズレター

2007/10/19(金)

特定領域研究「性分化機構の解明」公募研究課題、『行動の性分化の神経内分泌基盤』の2006年度の研究報告です。

添付ファイル: MMSD 2007.pdf

Category : 研究室ニュース

第16回バイオeカフェ

2007/10/17(水)

筑波大学大学院生命環境科学研究科サイエンスカフェにおいて、小川研究室での『ホルモンと行動』についての研究成果をお話しました。

タイトル:ホルモンで変わる脳:マウスの行動に学ぶ
日時:10月16日(火)18:20より
場所:筑波大学総合交流会館

添付ファイル: Bio Cafe.pdf

Category : 研究室ニュース