博士後期課程

感性人間工学分野

感性人間工学分野イメージ

製品や環境に対するユーザビリティを検討する上で、ユーザの知覚・認知特性を考慮することは非常に重要です。この分野では、よりよい製品やサービスのデザインを目指して、脳活動や行動指標による人間の知覚・認知特性の評価から産業応用のための標準化にいたる研究を行っています。研究は産業技術総合研究所との連携で行います。

  1. 人間の視覚を中心とした空間知覚および自己の空間定位特性や動作への影響についての基礎的研究を進めつつ、映像視聴による生体影響軽減をめざした応用的研究を進めています。例えば、基礎的研究では、実験心理学的手法を用いて、頭部運動による運動立体視の特性、自己空間定位や自己運動感覚に対する視覚や前庭感覚情報による影響等を研究テーマとし、応用研究では、主観評価等の心理計測と心電、脈波等の生理計測を用いて、映像酔いや立体視覚疲労等の生体影響特性を明らかにし、これを基に映像評価システム開発や映像ガイドラインの国際標準化などに取り組んでいます。
  2. 認知心理学的手法や心理生理学的手法を用いて、注意や記憶など、人間の認知の基本的特性を明らかにするための研究を進めています。習慣的な有酸素運動の量、睡眠の過不足、ストレスの有無、加齢など、認知機能に影響を与える様々な要因についての研究も行っています。また、基礎的研究で得られた成果を現実場面に活用するため、カーナビの使用が運転者の認知状態に与える影響を調べる研究、コンピュータ作業中の眠気やエラー頻度を評価する研究、製品や環境に対する情動・感性を脳科学的に評価する研究なども行っています。
  3. 機能的MRIや脳波・脳磁界計測など、さまざまな非侵襲計測技術を相補的に統合して、高解像度で脳活動のダイナミクスを解析する技術の開発と応用を進めています。たとえば、動きから3次元物体を再構成する高次な視覚知覚が、後頭葉・側頭葉後部・頭頂葉の協調的な活動により成り立っていることなどを明らかにしてきました。同様の技術を用いて、コンピュータインターフェイスの主観的操作感の定量的な評価方法など、モノやコトのデザイン最適化に向けて、人間の高次で主観的な知覚や認知・意思決定などを定量的に評価する技術の研究を行っています。

研究題目

  • 映像による酔いや視覚疲労等の生体影響に関する研究
  • 視覚的空間知覚及び身体運動との相互作用に関する研究
  • 主観的感覚の脳機能計測による定量的評価技術の研究
  • 脳波・脳磁気やMRIを総合的に用いたヒト脳活動の可視化とその応用技術の研究
  • ヒトの視覚的注意・記憶特性の研究
  • 認知状態を推定するための心理生理学的指標の開発